映画

2025年3月13日 (木)

映画 『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』

先日、会員になっている109シネマズ富谷で映画  『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 を観てきました。 監督は、映画 『インディージョーンズと運命のダイヤル』 などで知られるジェームス・マンゴールド。原作は、イライジャ・ウォルドの 『ボブ・ディラン 裏切りの夏 』。    ボブ・ディランを演じるのは、人気・実力とも今のハリウッドを代表するティモシー・シャラメ 。脇を固めるのは、ピート・シガーを演じた名優エドワード・ノートン、フォークの女王ことジョーン・バエズを演じたモニカ・バルバロなどハリウッドを代表する俳優陣。

惜しくも受賞には至りませんでしたが、アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞、監督賞など8部門にノミネートされました。個人的には、アカデミー賞作品賞や主演男優賞を受賞して当然の映画だと思いました。特に印象的だったのは、ボブ・ディランを演じたティモシー・シャラメの素晴らしい演技。ギターやハーモニカ、声の感じから歌い方まで、まるで青年時代のボブ・ディラン自身が演じているようでした。ティモシー・シャラメ は、ボブ・ディランを演じるにあたり 4年かけて歌と演奏を猛特訓し、ボブ・ディランの楽曲を40曲ほど習得したそうです。なるほど納得しました。見事です。ティモシー・シャラメは、主演男優賞に最もふさわしい俳優だと思いました。

いろいろ長々と書いてしまいましたが、誰もが「観て良かった!!」と思えるような素晴らしい映画です。ライブシーンも多いのでぜひ音響効果の良い劇場で観てください。

物語の舞台は、1960年代前半のニューヨーク。1961年の冬、ミュージシャンになるためにミネソタからやって来た一人の青年がニューヨークに降り立った。青年の名は、ボブ・ディラン。ボブ・ディランは、敬愛するフォークシンガー、ウディ・ガスリーの病床を訪れ、彼の理解者で盟友でもあるピート・シーガーと出会う。オリジナル曲を披露し二人に才能を認められたボブ・ディランは、フォーク・シンガーとして 大きな注目を集め時代を動かして行く。しかし、ボブ・ディランの止まることのない才能は、フォーク・シンガーとしての枠を超えて、ロックやブルースへとあふれ出して行く。高まる名声と人気に反し、自分の立ち位置に悩み続けるボブ・ディランだったが・・・・・あの1965年の 「ニューポート・フォーク・フェスティバル」で、大観衆を前にボブ・ディランは決断をする。その時、ボブ・ディランのバックにはロックバンド。手にはエレクトリック ギターがあった・・・・

 

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109シネマズ富谷にて

クイーンを描いた映画  『ボヘミアン・ラプソディ』 やエルビス・プレスリーを描いた映画 『エルヴィス』 、そしてボブ・ディランを描いた映画 『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 と、ミュージシャンの伝記映画が立て続けに大ヒットしています。2027年には、ビートルズの伝記映画も公開されるとのこと。誰が4人を演じるのか?  どの辺の時代を切り取るのか? などなど、興味がつきません。ビートルズの次は、ぜひ 「レッド・ツェッペリン」 の伝記映画を作ってもらいたいですね。期待しています。(笑)

 

『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 予告映像

 

『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 特別映像

ジョーン・バエズとデュエットを重ねて、名曲 『風に吹かれて』 が誕生する このシーンが良かった。才能ある男女の関係性も魅力的に描かれていました。何より、ボブ・ディランとジョーン・バエズの関係は全く知らなかったので興味深かった。

 

Bob Dylan - Like A Rolling Stone  (Live at Newport 1965)

ボブ・ディラン自身も  「ニューポートでの大事件だった」  と言っているように、今では考えられませんが、本当に当時は大事件だったようです。  ボブ・ディランの名曲中の名曲  『ライク・ア・ローリング・ストーン』。

 

Bob Dylan - The Times They Are A-Changin’  (時代は変る)

1960年代前半は、キューバ危機や公民権運動、ケネディ大統領の就任そして暗殺事件などで、アメリカ国内が揺れて不安に満ちていた時代。これらのことが、ボブ・ディランの楽曲や詩 (歌詞) に影響を与えたのだろうという描写だった。フォーク・フェスティバルでのライブシーン、大観衆による  「For the times, they are a-changin'」  の大合唱が忘れられない。

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2024年12月14日 (土)

映画 『十一人の賊軍』

先日、会員になっている109シネマズ富谷で映画  『十一人の賊軍』 を観てきました。 監督は、映画 『 凶悪 』 や『 孤独の血』 など極限状態に置かれた人間の心理を描くすべに長けた白石和弥。原案は、映画 『 仁義なき戦い 』 シリーズなどの集団抗争劇の名脚本家・笠原和夫が、史実から着想を得て書き残していたプロット。それを白石和弥監督が発掘し、ひと味もふた味も加えて、ワクワクドキドキの熱気あふれる集団抗争時代劇に作り上げました。

感想を一言で言うなら 「最高に面白かった!!  お見事!!」 という感じです。最初から最後まで血生臭く、泥臭さを貫く映画。幕末という時代の非情感・無常感を存分に感じることができるラストも良かった。 首や腕が切り落とされ、肉片が飛び散り、血しぶきが舞う。耳には刀と刀が交わる強烈な金属音と銃声・砲撃音。十一人の賊軍 (罪人) の見事な配役と相まって クライマックスでの迫力満点の戦闘シーンと殺陣 (たて) は、圧巻の素晴らしさ。まるで 「黒澤リアリズム」 ・映画 『七人の侍』 の戦闘・殺陣シーンを観てるいるようでした。感動しました。歴史好き、アクション映画が大好きな方には、絶対にお勧めです。ぜひ大スクリーンで観てください。

物語の舞台は 戊辰戦争真っ只中の1868年 (慶応4年) 、越後 新発田  (しばた)  藩領。旧幕府軍  (奥羽越列藩同盟)  に加盟する新発田藩 家老の溝口 (阿部サダヲ) は、ひそかに新政府軍 (官軍) への寝返りを計画していた。計画を成功させるためには、数日間、 新政府軍を足止めにする必要があった。そのため、捕らえられていた死罪決定の政 (山田孝之) ら10人の罪人と家臣の平四郎 (仲野太賀) の計11人を長岡藩士に偽装させて砦を守らせ、山縣有朋 (玉木宏) 率いる新政府軍と戦わせるという秘策を思いつく。罪人たちは 「勝てば無罪」 という約束を信じて、平四郎 (仲野太賀) は新政府軍を撃退すべく、命をかけた壮絶な戦いに身を投じていく・・・・

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映画  『十一人の賊軍』 のポスター

迫力満点の戦場シーンと圧巻の殺陣には目を奪われます。特に、本格的殺陣は初めてという仲野太賀と長州藩脱藩の老剣術家を演じた 「東映の切られ役」 こと本山力の殺陣は見事の一言。  鬼気迫る演技と表情に圧倒されました。

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109シネマズ富谷内にて 今回は、10番シアターで観てきました。

ただ、いきなり 「戊辰戦争 」 や 「新政府軍 (官軍) 」 、 「奥羽越列藩同盟 (賊軍) 」 、「新発田藩・長岡藩・米沢藩」 がどうのこうのと言われても、有る程度知識がないと全然理解できないと思いました。ましてや 「新発田藩の歴史的な裏切り」   という史実は、よほどの歴史好き・幕末好きな人でないと全くちんぷんかんぷんです。この辺が歴史物映画の難しいところですね。

 

映画 『十一人の賊軍』 特別映像  (新発田藩×新政府軍×旧幕府軍、三者の思惑に踊らされる!)

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2024年11月16日 (土)

映画 『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』

先日、会員になっている いつもの109シネマズ富谷で映画 『 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ 』 を観てきました。2019年に公開されて、社会現象となりセンセーションを巻き起こした衝撃作 『 ジョーカー 』 の続編 、『 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ 』。 監督は、前作と同じトッド・フィリップス。主演 ホアキン・フェニックス、新キャストのリー役でレディ・ガガが加わるのも話題になっていました。しかし・・・・

映画の感想は、 「 ひどい! 」 の一言。1300円も払って観るべき映画ではありませんでした。悪のカリスマ ジョーカーの狂気も、衝撃も、戦慄も何も無し。情けなくて女々しい、中年童貞男 アーサーの物語。 タイトルを、 『 アーサー:フォリ・ア・ドゥ 』 に変えるべきだと思いました。しかも、なんと、1960年代の古臭いミュージカル映画そのもの。ひたすら眠くなってきてしんどかった!(笑)    本当につまらない映画でした。わたくしは、ミュージカル映画は余り好きではないのですが、好きな方は先入観なしで観てください。そこそこ楽しめると思います。 

アメリカでの評判が芳しくなく、興業成績も悪かったのは知っていたので、あまり期待はしていませんでしたが、これほど酷いとは思いもよりませんでした。ジョーカー、アサーを脇役にして、レディ・ガガが主演のミュージカル映画にしたほうが大ヒットしたはずです!(笑)

物語の舞台は、ゴッサムシティにある裁判所と刑務所。ここを行ったり来たりする法廷劇 + リー  ( レディ・ガガ )  との恋愛物語 + ミュージカル仕立て。 看守に虐げられ惨めな拘留生活を送っていたアサーは、謎の女リーと出会い、変わり始める。いよいよジョーカー復活か!! と思いきや・・・裁判と恋愛が進展にするにつれて 予想外の展開を迎え、終着点には虚しさと虚脱感が残る・・・・。

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109シネマズ富谷 にて

 

映画 『 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ 』 予告編

 

レディ・ガガのライブ風なパフォーマンスと、ホアキン・フェニックスとレディー・ガガ のデュエット曲 「 ラヴ・サムバディ 」 のシーンがこの映画で唯一の見応えのある場面でした。 「 ラヴ・サムバディ 」 (To Love Somebody) は、ビージーズのソウルバラード風な名曲です。

ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ  「 ラヴ・サムバディ 」 (To Love Somebody)

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2024年9月16日 (月)

映画 『 エイリアン:ロムルス 』

先日、会員になっている いつもの109シネマズ富谷で映画  『 エイリアン:ロムルス』 を観てきました。 傑作SFホラー映画 『 エイリアン (1) 』 のリドリー・スコット監督が製作陣に加わり、 『 ドント・ブリーズ 』 などで注目を集めたフェデ・アルバレスが監督を務めた映画。時系列的には、 『 エイリアン (1) 』 とジェームス・キャメロン監督の傑作SFホラーアクション映画  『エイリアン 2 』 の間の物語。

感想を一言で言うなら、「なんだ、まあ、こんなもんか!」 という感じです。 「エイリアン1」 と 「エイリアン2」 のシーンの繰り返しで、蒸し返しの連続。 よく言えば 「オマージュしている」 となるのでしょうが・・・かなり鼻につく感じ。 映画の冒頭、妊婦さんが登場した時点で 「あ~そうなのか! 驚愕のラストとは、そういうことか!?」 と瞬時に思ってしまいました。 過去の作品の栄光に縋った、最近よくある凡作になってしまったようです。 エイリアン シリーズとホラー映画が好きな方は是非観てください。それ以外の方にはお勧めできない映画です。

物語の舞台は、2142年、劣悪な環境のとある鉱山惑星。そこで働くで人生の行き場を失った6人の若者。若者の1人レイン (ケーリー・スピーニー)  は、元恋人のタイラー (アーチ―・ルノー) からの誘いで、アンドロイドのアンディ  ( デビット・ジョンソン) とともに、遺棄された宇宙ステーション (ロムルス) から冷凍休眠装置を盗み出して、希望の惑星に移住する計画に参加する。しかし、足を踏み入れた宇宙ステーションは、エイリアンによる恐怖と絶望の惨劇が繰り広げられた場所だった。再び待ち受ける容赦なき恐怖と絶望。宇宙最強にして最恐の生命体・エイリアンから、彼らは逃げ切れるのか・・・・・?

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しかし、最新のVFXを駆使しなかったためか、映像の質感や量感が 『 エイリアン (1) 』 の雰囲気を感じさせるのが良かった。あと、オリジナリティに富んだエイリアンとの戦闘シーンは、スピーディーで臨場感あふれ、かつハラハラドキドキの展開。このシークエンスは非常に良かったです。

 

映画 『 エイリアン:ロムルス 』 日本オリジナル予告

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2024年4月16日 (火)

映画 『 オッペンハイマー 』

先日、いつもの109シネマズ富谷で映画  『オッペンハイマー』 を観てきました。 様々な事情から日本では、やっと今年になってから公開。原子爆弾開発の 「マンハッタン計画」 を主導した天才物理学者 ロバート・オッペンハイマーの栄光と悲劇を描いた映画。監督は、 『ダークナイト』、『ダンケルク』 、『テネット』 で知られるクリストファー・ノーラン監督。 世界的にも大ヒットし、米アカデミー賞で作品賞、監督賞、主 演男優賞など7部門を制した圧巻の映画です。 しかし、一言で言うなら 「なんでこんな映画がアカデミー賞の作品賞なんだろう?」 というのが正直な感想です。ハッキリ言って難解で分かりにくい映画。まず、登場人物が多すぎます。誰がなにやら、複雑な人間関係が理解できませんでした。絶対に相関図が必要。次に、戦前・戦中・戦後を行きつ戻りつ、複雑に交錯するので時間軸が分かりずらい展開。さらに、上映時間3時間は長過ぎ。2時間で充分な内容の映画でした。最後に、広島や長崎の惨状を知っている わたくしとしては、不快なシーンも多々ありました。特に、原子爆弾開発が成功してオッペンハイマーが英雄として祭り上げられ、アメリカの国民が半狂乱になって狂喜乱舞するシーン。これはかなり不快でしたね。改めて 「なんでこんな映画にアカデミー賞を与えてしまったのか??」 と思いました。ただ、オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーの演技は名演でした。素晴らしい演技です。あと、IMAX (アイマックス) カメラで撮影したという「トリニティー実験」シーンの圧倒的な臨場感。観ていて恐ろしくなりました。  難解な映画が好きな人にはお勧めです。是非観てください。(笑) 

物語は、1926年、イギリスのケンブリッジ大学で物理学を専攻したいたロバート・オッペンハイマー (キリアン・マーフィー) が、ドイツに渡り理論物理学を学ぶシーンから始まる。1942年、帰国したオッペンハイマーは、レズリー・グローヴス将校 (マット・デイモン) から原子爆弾開発の極秘プロジェクト「マンハッタン計画」への参加を打診される。第二次世界大戦下、ナチスドイツによる原子爆弾の開発は、もはや時間の問題だと思われていた。そこで、オッペンハイマーは、全米から優秀な物理学者・科学者を招聘し、ロスアラモス研究所を設立する。1945年7月に、原子爆弾の開発に成功。8月に広島・長崎への原子爆弾投下。その惨状に苦悩するオッペンハイマーは、核開発競争に反対の姿勢を表明する。その結果、アメリカ海軍少将で原子力委員会の委員長ルイス・ストローズ (ロバート・ダウニーJr) と対立を深めいて行く。 時代は冷戦に突入。 赤狩りの嵐の中、追い詰められて行くオッペンハイマー・・・・・。

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109富谷シネマズにて

ただ、この映画では、常に仮想敵国を求めずにはいられないアメリカが、道を誤って行く悲劇も描かれています。観方によっては、反戦・反核映画とも言えるでしょう。

 

映画 『オッペンハイマー』 予告編2

 

『 ロング・タイム・アゴー 』 THE TIMERS (忌野清志郎)  (1989 LIVE 広島)

Long time ago 44年前
原子爆弾が落ちてきて
何十万人もの人が
死んでいったのさ

Long time ago 44年前
8月6日の朝 8時15分
何の罪も無い人が
殺されちまったのさ

Long time ago 44年前
人間の歴史で 初めてのことさ
この日本の国に
原子爆弾が落ちたのさ

知ってるだろ?
美少女も美男子も たった一発
顔は焼けただれ 髪の毛ぬけ
血を吐きながら
死んでいくのさ Oh

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2024年3月30日 (土)

映画 『 デューン 砂の惑星 PART2 』

先日、いつもの109シネマズ富谷で映画  『 デューン 砂の惑星 PART2 』 を観てきました。 1作目の 『 DUNE/デューン 砂の惑星 (PART1) 』 から約3年、ハリウッドでの脚本家と俳優のストライキの影響で、公開が遅れていたSF超大作をやっと観ることができました。いやー長かったです。でも待った甲斐がありました。一言で言うなら、期待以上に素晴らしい作品でした。戦闘シーンのスケールが壮大かつ緻密。IMAX (アイマックス) で撮影したという圧倒的な映像美と臨場感。腹の底まで響く重低音と共に放出される迫力満点のサウンド。ストーリー展開も分かりやすく、スピーディー。圧倒的没入感で、2時間半があっという間に過ぎました。完全に 「デューン」 の世界観に引き込まれた。 パート2ために、パート1があったのだと確信。

原作は、フランク・ハーバートのSF大河小説 『デューン 砂の惑星』 。 監督は、前作に引き続きドゥニ・ヴィルヌーヴ。今年57歳になるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、不可能だと言われていたリドリー・スコット監督の名作  『ブレードランナー』 の続編、『ブレードランナー 2049』  を創り上げた巨匠です。

物語の舞台は、西暦10190年のアトレイデス家が統治している砂の惑星アラキス。フレメン語で「デューン」。砂漠から採取される超高価なスパイス (香料) 「メランジ」 を巡る宿敵ハルコネン家の陰謀により、アトレイデス家は主人公のポール・アトレイデス (ティモシー・シャラメ) と母親 (レベッカ・ファーガソン) を残し、家族と一族を皆殺しにされてしまう。砂漠の民フレメンに身を寄せた二人は、砂漠での生き方を学びながら復讐の時を待つ。ここまでがパート1。 パート2は、パート1のラスト 数時間後からの展開。ポールは、フレメンの女性チャニ (ゼンデイヤ) と心を通わせつつ、戦場での活躍などから砂漠の民フレメンの間で徐々に救世主として崇められる。目覚ましい成長を見せつけるポールは ついに覚醒。 その頃、砂の惑星アラキスの完全支配を目論むハルコネン家は、スパイス採取の新しい管理者として狂人フェイド=ラウサ (オースティン・バトラー) を送り込んでくる。そんな中、リサーン・アル=ガイブ(外世界からの救世主)となったポール・アトレイデスの壮大な復讐劇のプロジェクトが着々と進んで行く・・・・・。

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109富谷シネマズにて

美しくきらびやかな砂漠やメカニック、コロッセウムなどの圧倒的なスケール感、衣装デザインの素晴らしさなど、前作以上の映像美には驚愕しました。素晴らしいです。とりわけ、砂漠を疾走し、全てを飲み込む巨大な生物・サンドワーム (砂虫) にフレメンやポールが乗って疾走するシーンは圧巻の大迫力でした。 

本作を絶賛するスピルバーグ監督は、「砂漠を愛する映画にしては、水への渇望がある。この映画に出てくる砂の全てが、水についてを物語っているのです。緑豊かな草原や命の青い水を渇望する神聖な水についての物語なのです。」、「あなたは、砂漠を海に見立てて撮ったのだと私は思います。登場する巨大砂虫は、まるで海蛇のようでした。砂虫に乗ってサーフィンするシーンは、私が観た中でも一番すごかったです。」 とヴィルヌーヴ監督との対談で語ったそうです。

 

映画 『 デューン 砂の惑星 PART2 』  公式予告編

 

映画 『 デューン 砂の惑星 PART2 』 グローバル予告

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2024年3月 2日 (土)

映画 『 コヴェナント/約束の救出 』

先日、利府町の 「新利府イオンシネマ」 で、映画 『コヴェナント/約束の救出』 を観てきました。本作は、アフガニスタン問題とアフガニスタン人通訳に関する複数の実話に基に、脚本家でもあるガイ・リッチー監督が描いた最新作映画です。日本人にとって胸が熱くなる 「義理・人情・恩義」 、 「約束・絆」 をテーマにし、迫力ある銃撃シーンや想像を絶する過酷な救出劇などを織り交ぜ、ハラハラドキドキ、手に汗握る、緊張感あるれる展開に仕上げています。素晴らしいの一言。単なる戦争映画と言うよりも、戦場を舞台にした骨太の 「社会派ヒューマンサスペンス映画」 と言った方がぴったりだと思いました。ガイ・リッチー監督の代表作になること間違いなし! 絶対に観て損のない映画。面白くて、楽しめて、感動する映画です。

物語の舞台は、2018年のアフガニスタン。 タリバンの武器や爆発物の隠し場所を探査する部隊を率いる、アメリカ軍のジョン・キンリー曹長 (ジェイク・ギレンホール) と、彼に雇われたアフガ二スタン人通訳アーメッド (ダール・サリム) を軸にストーリーが展開していく。キンリー率いる部隊は、爆発物製造工場を突き止めるが、タリバンとの壮絶な銃撃戦でキンリーとアーメッド以外は全員殺されてしまう。キンリーは、銃弾を受け瀕死の状態となるがアーメッドに救出される。想像を絶する過酷さの中、アーメッドはキンリーを運びながら、砂漠の山岳地帯を100キロ進み続け、ついに救出に成功。 数週間後、回復したキンリーは、妻子の待つアメリカへ帰国する。その後、アーメッドの移住ビザが発行されていないばかりか、アーメッドがタリバンに賞金を懸けられ、命を狙われていると知って愕然とするキンリー。アーメッドとの約束  (通訳には報酬として移住ビザが約束されていた) と命を助けられた恩義に報いるためにキンリーが選択したのは、自力でアーメッドと家族を救出するため、再びアフガニスタンへ戻ることだった・・・・・

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新利府イオンシネマにて

 

映画 『コヴェナント/約束の救出』  予告編

 

映画の冒頭シーンでは、「アメリカ」 の 『名前のない馬』 が使用されています。 『名前のない馬』 は、ベトナム戦争が泥沼化していた1972年に大ヒット。 全米1位になった曲で、ベトナム戦争に対する反戦歌としても知られています。ちなみに、 「アメリカ」 は、イギリスで結成されたアメリカ人3人組のフォーク・ロックバンド。

泥沼化していたアフガニスタンでの戦争。荒涼とした砂漠では大量に人が殺される。しかし、そのような状況の中でも、たった1つの命の大切さを実感させてくれる映画でした。本作の全てを象徴するような、ガイ・リッチー監督の見事な選曲。素晴らしいです。 

アメリカ  『 名前のない馬 』

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2024年2月 2日 (金)

映画 『 ゴールデンカムイ 』

先日、いつもの109シネマズ富谷で映画 『 ゴールデンカムイ 』 を観てきました。『ゴールデンカムイ』は、野田サトル氏によって「週刊ヤングジャンプ」で連載された作品で、単行本の累計発行部数が270万部を超える大ヒット漫画です。これが、なんと、ついに実写化されたのです。原作漫画のファンの一人として、嬉しさとともに 「実写化して大丈夫なんだろうか?」 、「ヒットするのだろうか?」 と不安になりましたが、不安は杞憂に過ぎなかった。 極寒の北海道を中心に撮影され、妥協を感じさせない完成度と原作漫画の世界観と雰囲気を忠実に再現。どのキャラクターも完璧で、漫画から飛び出してきたような存在感が漂っていた。そのため映画は大ヒット上映中。素晴らしいの一言です。原作漫画やアニメに触れていない人でも十二分に楽しめる映画。北海道やアイヌなどに興味のある人にもお勧めの映画です。

本作は、あくまでも長編作品の序章。言ってみれば 「小樽編」 です。映画  『 ゴールデンカムイ 』 は 始まったばかり。これから  「樺太編」 、「札幌編」 、「函館編」 と続いて行くと思われます。実際、ラストのエンドロールでは、次作の予告映像が流れていました。今後が非常に楽しみです。

物語の舞台は、明治時代後期の北海道。日露戦争から帰還した杉元佐一 (山崎賢人) は、ある目的のため北海道に渡り、砂金取りに明け暮れていた。そこで、杉元は、のっぺら坊と呼ばれる男がアイヌを虐殺して強奪したという、莫大な量の埋蔵金 (砂金) の存在を知る。埋蔵金の行方を突き止めると決めた杉元は、のっぺら坊に父を殺されたアイヌの少女アシリパ (山田杏奈) と出会う。同志となり共闘することになった杉本とアシリパたちは、陸軍第七師団中尉 鶴見篤四郎 (玉木宏) や網走監獄で生きていた元新選組副長 土方歳三 (舘ひろし) らとの壮絶な埋蔵金争奪戦を繰り広げて行く・・・・・

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109シネマズ富谷にて

本作は、アクション、アドベンチャー、ハンティング、グルメなどを描きながら、随所にアイヌ文化に対するリスペクトが感じられます。特に、北海道平取町に再現されたアイヌのコタン (集落) やアイヌ料理のチタタプ (肉・鮭のたたき鍋) 、オハウ (肉・野菜の煮込み汁) には大注目です。多岐に渡るコンセプトで、様々な角度から北海道の大自然やアイヌ文化の魅力を発信する映画とも言えます。 最後に、アイヌの狩人・アシリパ (山田杏奈) ちゃんが最高にかっこよかったです。 北海道の過酷な自然を生き抜くサバイバル技術を身に着け、猛毒の弓矢でヒグマを倒して杉元を助けたり、アイヌの神々 (カムイ) に祈りを捧げたりと、脈々と続くアイヌの文化・精神の象徴でした。さらに、絶妙な藍色の瞳と透き通るような白い肌に薄桃色の頬は、冬の北海道の大自然に最高に映えていました。

 

映画 『 ゴールデンカムイ 』 予告編 Ⅰ

 

映画 『 ゴールデンカムイ 』 予告編 Ⅱ

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2024年1月24日 (水)

映画 『 エクスペンダブルズ ニューブラッド 』

先日、いつもの109シネマズ富谷で映画 『 エクスペンダブルズ ニューブラッド 』 を観てきました。 待ちに待った人気アクションシリーズ の最新作『 エクスペンダブルズ ニューブラッド 』 がやっと公開されました。本作は、自ら 「消耗品」 を名乗る傭兵軍団 「エクスペンダブルズ」 の活躍を描いた人気シリーズの第4弾。前作 『エクスペンダブルズ  ワールドミッション』 (2014) から約10年ぶりの新作です。 シリーズ4作目となる本作でも、シルヴェスター・スタローンとジェイソン・ステイサムという2大アクションスターを筆頭に豪華スターが集結。 「タギれ、野郎ども!ド派手に行くぜ!」 と言わんばかりに、大迫力のアクションを展開。理屈抜きに楽しめる完璧に面白い映画でした。

シリーズ3作の流れをしっかり引き継ぎつつ、新たな要素も存分に楽しめる展開は、素晴らしいと思いました。メンバーの入れ替わりもあり、シルベスター・スタローンやドルフ・ラングレンの歳とり過ぎた感は否めませんが、ジェイソン・ステイサム や新メンバーのキレキレのアクションシーンは感動ものです。素晴らしい。さらに、本作ではなんと、主役がクリスマス (ジェイソン・ステイサム) になりバーニー (シルベスター・スタローン) が脇役になりました。そのためスタローンの出番は、かなり少なくなってしまいましたが、返ってこのことが功を奏したと思います。理屈抜きに楽しめる映画です。複雑なストーリーや人間模様は無くていいから、とにかく銃撃と格闘アクションを存分に楽しみたい!という人には絶対オススメ!

物語は、リビアでのテロリストとの戦闘から始まり、タイからロシア沿海州領海へと展開して行く。 CIAから依頼される難関ミッションを次々乗り越えてきた最強軍団 「 エクスペンダブルズ (消耗品) 」 を率いるバーニーは、CIAからの新たな依頼に応えるため、かつての相棒であるクリスマスを訪ねる。バーニーと再び組むことを決意したクリスマスがエクスペンダブルズの基地に足を運ぶと、そこにはかつての仲間たちに加え、新たなメンバーも顔をそろえていた。エクスペンダブルズが挑む今回のミッションは、テロリストが所有する核兵器と起爆装置を奪還すること。失敗すれば第3次世界大戦が勃発しかねないという危険なものだった。彼らは、ミッション遂行のため、北アフリカのリビアにあるカダフィ大佐の旧化学工業へと向かうのでした・・・・・・・

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109富谷シネマズにて

正直に言って、脚本は穴だらけで、ツッコミどころ満載。興業成績も悪いし 評判も良くない。批判も多い。でも、そんなのは関係なし!本作は、ハリウッドの祭典、お祭りなのです。そこに高度な物語性などは必要なく、観ていて血涌き肉躍る面白さ、楽しさがあればいいのです。 自称批評家の皆さん、 『 エクスペンダブルズ ニューブラッド 』 の悪口をあんまり言わない方がいいですよ!(笑)

『 エクスペンダブルズ ニューブラッド 』  本予告映像

 

『 エクスペンダブルズ ニューブラッド 』  冒頭映像

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2023年12月 7日 (木)

映画 『ゴジラ -1.0』

先日、いつもの109シネマズ富谷で映画 『ゴジラ -1.0』 を観てきました。いわゆる怪獣映画は嫌いなので観るつもりはなかったのですが、ヒットもしているのでついつい観に行ってしましたました。一言で言うと、終戦直後の日本を丁寧に描いていて感動的でもあり、そこそこ楽しめる映画でした。怪獣映画の好きな人は、是非観に行ってください。(笑)

本作は、日本発の怪獣ゴジラが、来年 生誕70周年を迎えることを記念し、製作された実写版映画の30作目。日本では、11月3日に公開。公開後1ヶ月で観客動員250万人、興行収入38億円を突破。12月からは全米でも公開され、週末3日間のオープニング興業収入が16億円を記録。ハリウッドの大作映画や大ヒットアニメーション映画を抑え、全米の週末興業収入ランキングで3位にランクインと快進撃を続けています。

物語の舞台は、第二次世界大戦末期の大戸島と終戦直後の東京。特攻隊任務から逃れるために大戸島にたどり着いた敷島浩一 (神木隆之介) は、ゴジラに遭遇。ゴジラは、飛行場を襲撃し多くの仲間を殺害。自らの弱さから仲間を救うことができなかった敷島はトラウマに苛まれる。この辺りは、 『ジェラシック・パーク』 そのまんまでした。 終戦直後、空襲で家族を失った敷島は、焦土と化した東京で出会った女性と戦災孤児の少女と暮らし始める。戦争を生き延びた人々が復興を目指すなか、水爆で巨大化したゴジラが東京に出現。ゴジラは、復興途中の街を容赦なく破壊していく。東京・銀座が襲撃されるシーンは衝撃的で凄まじい。VFX (視覚効果) の進化に感嘆させられた。ゴジラへの復讐に取りつかれた敷島や元海軍の兵士を中心とした民間人の力を結集して、決死の覚悟でゴジラに立ち向かって行く・・・・・

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109シネマズ富谷にて

少し批判的に書くと、ストーリー展開や構成などはセオリー通りなので先が読みやすく、ご都合主義的な部分も多かった。浜辺美波、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、山田裕貴といった実力派俳優陣が脇を固めていましたが、演技がわざとらしいというか、クサイ部分も多々ありました。さらに、映画 『ジェラシック・パーク』 や映画 『ジョーズ』 などを想起させる部分も多かった。 (悪く言えばパクリ)  でもまあ、それはそれとして置いといて、映画のラスト、ゴジラのテーマ曲が流れる中、民間人が結集して絶望の象徴であるゴジラに立ち向かって行く姿は感動的で素晴らしいと思いました。


映画 『ゴジラ -1.0』  予告編

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