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2020年8月22日 (土)

焼走り溶岩流 (岩手県八幡平市)

岩手山の噴火によって吹き出した熔岩が、山肌を流れるままに冷えて固まってできたものが焼走り熔岩流で、国の特別天然記念物になっています。享保17年(1732)の噴火によってできたもので、300年近く経つというのに、ほとんど植物が進入していないという不思議な場所です。

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展望台近くにある 宮沢賢治 「鎔岩流」 の詩碑

喪神のしろいかがみが
薬師火口のいただきにかかり
日かげになつた火山礫堆(れきたい)の中腹から
畏るべくかなしむべき砕塊熔岩(ブロツクレーバ)の黒
わたくしはさつきの柏や松の野原をよぎるときから
なにかあかるい曠原風の情調を
ばらばらにするやうなひどいけしきが
展かれるとはおもつてゐた
けれどもここは空気も深い淵になつてゐて
ごく強力な鬼神たちの棲みかだ
一ぴきの鳥さへも見えない  (『春と修羅 第一集』より)

(以下略)

岩手山をこよなく愛した宮沢賢治は、約90年前にこの地を訪れ、文学者と科学者の目からこの詩 「鎔岩流」 を作ったそうです。この詩からは、賢治が 「強力な鬼神の棲みかだ、一匹の鳥さへも見えない」 と称した溶岩流原野の異次元の凄味が感じられます。

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延長約3キロ、幅1キロにも及ぶ広大な熔岩流台地には、300年近く経ついうのに、ほとんど植物が進入していないとのこと。僅かに、松やダケカンバ等がポツリ、ポツリと生えています。まさに 「鬼神の棲か」 絵になる光景です。

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広大な焼走り熔岩流台地。厚さは、5メートルから10メートルにもなるとのこと。

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岩手山と溶岩流大地  「展望台」 付近から撮影。

『喪神のしろいかがみが
薬師火口のいただきにかかり』

まさに、賢治の詩のような情景です。「喪神」 とは賢治の造語で死神のようなものだそうです。「薬師火口のいただき」 とは岩手山山頂の火口です。

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国際交流村にある 「焼け走り溶岩流台地」 の案内板

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