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2015年11月15日 (日)

「ココアのひと匙」

石川啄木のけっこう有名な詩です。
未完ともいえる詩集「呼子と口笛」の中の一遍です。
この詩は、「大逆事件」 (1910年〈明治43年〉、幸徳秋水らが明治天皇を拉致・暗殺するというテロ計画を企てたとして、明治政府によって逮捕・死刑にされた事件) に並々ならぬ共感と興味、関心をいだいていた啄木が書いたものです。
「テロは断じて許されない行為!テロを断じて許さないとう決意!」 これは真実です。 しかし、テロリストを生み出したのは、我々の社会であり国家です。社会や国家は少なからず個々人の思想、意識の反映です。
「テロの撲滅、テロを断じて許さないとう決意」は、テロリストの心を理解しようとするプロセスなしには辿り着けないのかもしれない・・・・・?


「ココアのひと匙」   一九一一・六・一五・TOKYO


われは知る、テロリストの

かなしき心を――

言葉とおこなひとを分ちがたき

ただひとつの心を、

奪はれたる言葉のかはりに

おこなひをもて語らむとする心を、

われとわがからだを敵に擲(な)げつくる心を――

しかして、そは真面目にして熱心なる人の常に有(も)つかなしみなり。


はてしなき議論の後の

冷さめたるココアのひと匙(さじ)を啜(すす)りて、

そのうすにがき舌触りに、

われは知る、テロリストの

かなしき、かなしき心を。

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