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2014年6月20日 (金)

昨日は桜桃忌でした。

#「子供より親が大事、と思いたい」太宰治 「桜桃」より。う~む、けだし名言であります。(笑)
太宰は、小説「津軽」の中で、生まれ故郷の金木町(現 五所川原市)から見た岩木山を次のように表現しています。      『「や!富士、いいなぁ」と私は叫んだ。富士ではなかった。 津軽富士と呼ばれる一千六百二十五メートルの岩木山が満目の水田の尽きるところに、ふわりと浮かんでいる。実際軽く浮かんでいる感じなのである。 したたるほど真蒼で富士山よりもっと女らしく、十二単衣の裾を、銀杏の葉をさかさ立てたようにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮かんでいる。 決して高い山ではないが、けれども、なかなか透きとおるくらいに嬋娟(せんけん)たる美女ではある。』   小説「津軽」は、太宰の作品の中でも一番好きな作品です。
Cimg0173弘前市内から望む岩木山。 重くどっしりとして、重鎮の貫禄、ボリームたっぷりで、立派であります。(笑)       なんと、太宰は、太平洋戦争の真っただ中、昭和19年の春に故郷の津軽を旅しているのです。日本人のほとんどが「戦争に絶対勝ぞーー!」と一心不乱になっていたときに、太宰はのんきに旅行をしているのです。 戦争中も、お伽噺を題材にした小説を書いたりと、戦争とは距離を置き、戦争には非協力的でした。その意味では立派でしたね。
Cimg0199標高1625メートル、岩木山山頂。---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Cimg01919岩木山山頂より、七里長浜、十三湖、小泊方面を望む。 小説「津軽」のクライマックスシーンは、ラスト第五節「西海岸」、小泊で 育ての親ともいうべき「たけ」との30年ぶりの再会シーンであります。 いやー、本当に感動的なシーンです。  #小説「津軽」こちらをどうぞ。

「人に捨てられた孤独の水たまり」、太宰は十三湖のことをこう表現しています。やっぱり、太宰の本質は詩人ですね。(笑)   『浅い真珠貝に水を盛つたやうな、気品はあるがはかない感じの湖である。波一つない。船も浮んでゐない。ひつそりしてゐて、さうして、なかなかひろい。人に捨てられた孤独の水たまりである。流れる雲も飛ぶ鳥の影も、この湖の面には写らぬといふやうな感じだ。 <中略>   私は小泊港に着いた。ここは、本州の西海岸の最北端の港である。この北は、山を越えてすぐ東海岸の竜飛である。西海岸の部落は、ここでおしまひになつてゐるのだ。』

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