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2014年5月30日 (金)

石川啄木展

仙台文学館でやっている「石川啄木の世界~うたの原郷をたずねて~」を観てきました。 あらためて啄木は、「天才」だったと確信しました。わずか26歳という若さで夭折したことが非常に悔やまれますね。せめて、あと10年、宮沢賢治くらい生きていたら、詩人、評論家としても大成していたでしょう。
Img_2509仙台文学館内にて。    「百回通信」、「性急(せっかち)な思想」、「時代閉塞の現状」など、啄木は評論家としても近年かなり評価されていますが、詩人啄木としての評価もかなり上がってきているそうです。とりわけ、大逆事件後に書かれた詩稿ノート「呼子と口笛」は、革命期のロシアや当時の社会、政治的なことなどの重いテーマが扱われており、暗い時代の中での苦悩を批評精神を持って鋭く鮮烈に歌いあげているとのことです。 なかでも、「ココアのひと匙(さじ)」、多くの人に感動を与えているという「飛行機」は有名です。

「ココアのひと匙」        1911・6・15・TOKYO

われは知る、テロリストの
かなしき心を――
言葉とおこなひとを分ちがたき
ただひとつの心を、
奪はれたる言葉のかはりに
おこなひをもて語らむとする心を、
われとわがからだを敵に擲(なげ)つくる心を――
しかして、そは真面目して熱心なる人の常に有(も)つかなしみなり。

はてしなき議論の後の
冷さめたるココアのひと匙(さじ)を啜(すす)りて、
そのうすにがき舌触(したざは)りに、
われは知る、テロリストの
かなしき、かなしき心を。

テロリストとは、幸徳秋水を指しているというのは一般的ですが、伊藤博文を暗殺した安重根を指す との説もあるようです。やれやれ。(笑)

詩稿ノート「呼子と口笛」はこちらをどうぞ。
Img_2507仙台文学館内。学校の授業の一環なのでしょう、多くの小学生も来ていて混雑していました。------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

「飛行機」             1911・6・27・TOKYO

見よ、今日も、かの蒼空(あをぞら)に
飛行機の高く飛べるを。

給仕づとめの少年が
たまに非番の日曜日、
肺病やみの母親とたった二人の家にゐて、
ひとりせっせとリイダアの独学をする眼の疲れ……

見よ、今日も、かの蒼空に
飛行機の高く飛べるを。

Img_2513石川啄木展 特別メニュー「旅路の果てに」をいただく。 啄木の日記には、啄木が好きだった食べ物が多く登場するそうです。その中の食材を吟味て特別メニューを作ったとのこと。   仙台文学館のレストラン「杜の小径」では、特別展に合わせて、「特別メニュー」を提供しています。  宮沢賢治展のときは、賢治が農民に作るように勧めた、冷害に強い稲の品種 「陸羽132号」のご飯でした。かなり歯ごたえがあった記憶があります。(笑) 中原中也展のときは、地元山口県の地ビール「中也ビール」もありました。歩いて行ったので、かなりいただいてしましました。お土産にも買ってきました。(笑)  あと、高村光太郎・智恵子展のときは、光太郎の詩「卓上の7月」に出てくるという、鶏肉のホワイトソースがけがメインの「アトリエの二人」というメニューでした。 このレストランの特別メニューは、なかなか好評で、特別メニューを目当てに文学館に通う人も多いそうです。なんというアイデアでしょう!素晴らしい発想ですね。

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