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2011年11月13日 (日)

「風の又三郎」

『どっどど どどうど どどうど どどう  青いくるみも吹きとばせ  すっぱいかりんも吹きとばせ  どっどど どどうど どどうど どどう』 の書き出しで始まる宮沢賢治の有名な童話であります。 賢治の死後発表された作品で、「銀河鉄道の夜」と同様未完成だったようです。「永久の未完成これ完成である」ですね。(笑)    9月の初め、風が強くなる季節に転校してきた少年 高田三郎と山の分校の子どもたちとの交流を描いています。 分校の子どもたちは、三郎のエキセントリックな言動や行動に戸惑いながらも、刺激的な遊びや事件を通して友情を深めて行くのであります。しかし、三郎は、わずか12日間居ただけで、分校の子どもたちに強烈な印象を残し、風のように去ってい行くのであります。。。。。    物語の中の会話は、ほとんど方言だけで行われていますし、突然文章が飛んでるところはあるしで、少々難解な童話です。   「ちょうはあ かぐり ちょうはあ かぐり。」、「なして泣いでら、うなかもたのが。」、「そだら早ぐ行ぐべすさ。おらまんつ水飲んでぐ。」、「又三郎うそこがなぃもな。」等々、東北の人が読んでもよく分からない部分が多いです。声にだして読んでみて、「なんだ、こう言ってるのかー!」とやっと理解できる部分も多いですね。(笑) #「風の又三郎」はこちらをどうぞ!
 
Cimg1284種山ヶ原にある「風の又三郎」の像。後方に見えるのが物見山(871メートル)です。雨量観測所の白い建物が見えますね。   この魅力的な物語は、どこで繰り広げられたのでしょうか?物語には、種山ヶ原の「た」の字も出てきませんし、種山ヶ原あたりの地名も登場しません。しかし、種山ヶ原を暗示させるキーワードが多く出てきます。「上の野原」、「馬の牧場、放牧場」、「高原から流れ出る多くの渓川」、「物見山の山頂付近に展開する残丘のような大きな黒い岩」などです。これらのことから「風の又三郎」は、種山ヶ原を舞台にした物語だと言えますね。 もう一つ決定的なものがあります。それは、「モリブデン」、「モリブデン鉱山」という言葉が登場することです。地質学者でもあった賢治は、鉱物や岩石に関する豊富な知識がありました。 高田三郎の父は、鉱山技師でモリブデンの鉱石がでるという「上の野原」の鉱山を開発するためにやってきたのです。こんな記述があります。先生と生徒の会話です。 『「上の野原の入り口にモリブデンという鉱石ができるので、それをだんだん掘るようにするためだそうです。」「どこらあだりだべな。」 「私もまだよくわかりませんが、いつもみなさんが馬をつれて行くみちから、少し川下へ寄ったほうなようです。」「モリブデン何にするべな。」「それは鉄とまぜたり、薬をつくったりするのだそうです。」』 ご存知のように、モリブデンと言えば「モリブデン鋼」、高級包丁などに使われる最高級のステンレスですね。「薬」というのは、肥料のことのようです。しかも、稲作にはかかせない肥料になるとか。さすが、科学者 賢治!すごい知識ですね。(笑) 実際、賢治は、盛岡高等農林学校時代の大正6年に、学友たちと一緒に種山ヶ原一帯の地質調査を行っているそうです。そして、なんと、モリブデンを含む鉱脈を発見したのです!!以後、賢治は何度も種山ヶ原を訪れています。 #う~む、やっぱり、「風の又三郎」の舞台は種山ヶ原ですね!(笑)

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投稿: Jennabel | 2011年11月22日 (火) 13:28

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