「マタギの里」 (秋田県北秋田市阿仁町)
下山後、旧阿仁町の「マタギの湯」 《打当(うっとう)温泉》 に入ってきました。阿仁の観光拠点になっている施設です。もちろん宿泊もでき、館内には「マタギ資料館」、「マタギ座敷」(レストラン)、打当川を見下ろす清々しい露天風呂もありました。 この温泉は良かったです。 また、なんと、すぐ近くには「マタギ熊牧場」なんてのもあります。(笑)
「打当(うっとう)温泉 マタギの湯」。 阿仁打当というと、宮城県出身、熊谷達也氏の「邂逅の森」(かいこうのもり)を思い出す。阿仁打当に生まれのマタギ・松橋富治が主人公の物語である。この本は、直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した名作であります。 みなさんも読んでみて下さい。(笑)
「マタギ資料館」。 かつて東北には、厳しいしきたりを守って、熊や鹿を狩り、山とともに生き、「マタギ」と呼ばれた狩人の集団がいた。。。。
北東北のこの地方には、沢を意味するアイヌ語の「ナイ」という地名が非常に多い。また、マタギが狩猟のとき使う「マタギ言葉」とアイヌ語の類似性がある、と指摘たしたのは言語学者でありアイヌ語の研究家でもある金田一京助である。 打当内(うつとうない)、比立内(ひたちない)、笑内(おかしない)、粕内(かすない)等々。。。。。縄文時代の遺民、マタギとアイヌは、仏教とは無縁の独特の宗教、哲学を持って生活していたのでした。
資料館にある「マタギ銃」。 マタギが最も重視したハンティングが熊猟であった。当時、熊は高く売れたのです。皮はもちろん高値で売れましたが、「熊の胆(い)」は、昭和初期まで万能薬として超高値で取引されたとのこと。熊の胆一匁(いちもんめ、約4グラム)が、なんと、米1俵と取引されたのです。肝だけではなく、肉はもちろんのこと、骨の黒焼きは強精剤、熊の油は手荒れ、あかぎれの薬として、小腸は安産のお守り、冬眠明けの熊の糞は子供の癇の薬として、重宝されたそうです。クジラと同じで捨てるところなく、すべて利用されたのです。 ここには、マタギの宗教、信仰に関する展示品も多くありました。 マタギの神、山の神は女神であります。しかも、かなり崩れた顔のブスだそうです。(笑) なんと、この女神が最も好きなのが人間の男根とオコゼ(鬼のような顔をした魚)であるという。。。。まことに人間的な女神であります。(笑) マタギが山に入りハンティングを行うときは、必ず、オコゼを山の神に捧げました。また、マタギの成人式では、男根を勃起させ山の神と象徴的な性交をしたといいます。やれやれ(笑) #この辺のところは「邂逅の森」に詳しく書かれていますね。
「阿仁マタギ駅」、第三セクター秋田内陸縦貫鉄道の駅である。「マタギの里」は、ここから車で5分くらいのところにあります。この鉄道は、日本三大銅山の一つであった阿仁鉱山から出た銅鉱石を運搬するために引かれた鉄道であったのです。秋田は鉱山の多い県でもあります。 比立内(ひたちない)の105号線にある「道の駅あに(またたび館)」には、なんと、熊鍋レシピつきの冷凍熊肉が売っていました。さすが阿仁ですね。買うかな?とも思いましたが、500グラム5000円とちょっと高かったので止めました。(笑) 代わりに、マタギ秘伝の「熊の油」を買ってきました。これは、なんと、馬油の数倍の効目があり、手荒れ、あかぎれ、やけど、傷だけでなくアトピーにも効くという優れものです。アトピーに効くというのは本当ですかね。。。?(笑)
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